|
|
| アネクドテン |
Sweden |
地中海さながらの美しさと雄大さを兼ね備え名実ともにイタリアン・ロックの王者であったPFMに対し、人間の原始的な本能や狂気といった心の底の濁りを音楽にしたかのようなオザンナはイタリアン・ロックの陰の王者と呼ばれた。これと同じ対比が現代のスウェディッシュ・ロック・シーンに起きつつある。
正統派王者は言うまでもなくフラワーキングス。北欧の森のような懐の広さを持ったグループである。そしてそれに対する陰の王者の座につこうとしているのが、このアネクドテンである。
彼らの特徴は、なんといってもメロトロンを大々的にフィーチュアした冷たい音作り。高性能シンセサイザーが豊富にあるこの現代にメロトロンを多用することは「懐古趣味」と言われがちであるが、「みんな本当はメロトロン使いたいんだろ?やせ我慢するなよ」と言わんばかりの潔い使いっぷりにはかえって好感を覚える。そう、本当はみんなメロトロンが大好きなのだ(笑)
メンバーはPeter Nordins(dr)、Jan Erik Liljestrom(bass,vo)、Nicklas Berg(g,key,vo)、Anna Sofi Dahlberg(cello, key,vo)の4人。女性チェロ奏者がメンバーにいるというところが少し変わっている。曲者はベースのLiljestrom。彼がまだベース少年だった頃、マグマのコピーをしまくっていたに違いない。今ここにいる彼は、ヤニック・トップやベルナール・パガノッティ級の地鳴りベーシストと化している。そして内ジャケの写真を見ると、悲しいかな頭の禿げ上がり具合までコピーしてしまったらしい・・・。 |
| http://www.anekdoten.se/ |
| Vemod |
1993 |
| 暗鬱 |
 CoverArt: Teolinda1. Karelia
(7:22)
2. The Old Man and the Sea
(7:50)
3. Where Solitude Remains
(7:21)
4. Thoughts In Absence
(4:13)
5. The Flow
(7:00)
6. Longing
(4:54)
7. Wheel
(8:05)
8. Sad Rain (Bonus Track)
(10:12)
|
1st。1曲目始めのオルガンによる「暗鬱」な旋律がジャケット写真左側の眼の無い女(?)の狂った妄想と正気の悲しみを映しているかのようで、背筋が寒くなる。と思っていると突然地鳴りベースが乱入してきて、アルバムは本格的に幕を明ける。
アネクドテンのデビュー作にあたる本作は、彼らルーツであるキングクリムゾンやマグマなどのプログレッシヴ・ロック・グループの影響を色濃く残した仕上がりとなっている。
前述した1曲目「KARELIA」の後半のチェロの旋律ーはどことなくアルティ・エ・メスティエリの『ティルト』を想起させるし、2曲目後半に出てくるギターソロはクリムゾンの「Night Watch」だ。3曲目頭のベースリフなどは、思いっきり「De Futura」のヤニック・トップである。
そういうわけでオリジナリティには疑問が残るが、プログレ先駆者たちのエッセンスを吸収した彼らの記念すべき第一歩を記した重要な一枚であることに間違いはない。
また誤解のないように補足するが、1曲目「KARELIA」は相当な名曲である。 |
| ★★★★★★★(7) |
| last update:2004/01/07 |
|
| Nucleus |
1995 |
 CoverArt: Teolinda1. Nucleus
(5:09)
2. Harvest
(6:50)
3. Book Of Hours
(9:58)
4. Raft
(0:59)
5. Rubankh
(3:11)
6. Here
(7:26)
7. This Far From The Sky
(8:56)
8. In Freedom(6:27)
|
2nd。作風としては前作の延長線上にある作品だが、全体的に平たく無難にまとまっていた前作に比べると、本作ではミニマムからマキシマムへの振幅を大胆に広げた曲が多く、それ故音楽性に奥行きが出てきたといえる。彼らは確実に進化している。
その成長ぶりが最も顕著に表れているのが1曲目のタイトルナンバー「Nucleus」。5拍子のたたみ掛けるようなリズムに重戦車級のへヴィベースが乗っかり、動から静、静から動と明確なコントラストで目眩めく展開をみせる。また、プログレでは用いられることの少ないクラヴィネットを取り入れたのも効果的。この楽器の金属っぽい無機的な音は、彼らの音楽に非常にマッチしている。
|
| ★★★★★★★(7) |
| last update:2004/01/09 |
|
|
|