DREAM THEATER
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ドリームシアター United States
 アメリカ、いや世界を代表するプログレッシヴ・メタル・グループ。名門バークレー音楽学校出身者ばかりで構成されている・・・と書けば、凄まじい技巧派集団であることが容易に想像できるだろう。
 プログレ・メタルというジャンル分けは、それだけで多くの食わず嫌いを生んでしまうようで、特に古き良き時代のプログレファンからはこのグループは軽視されがちなようである。
 だがこの現代に、彼らほどプログレッシヴな発想で音楽製作に臨んでいるグループは少ない。中でも5thアルバムの『Metropolis Part2:Scenes From A Memory』はジェネシスの『The Lamb Lies Down On Broadway』に匹敵するほど芸術性の高いコンセプトアルバムといっても過言ではない。
http://www.dreamtheater.net/
Metropolis PT.2: Scenes From A Memory 1999
Metropolis PT.2: Scenes From A Memory
CoverArt:
Dave McKean
1. Regression (2:12)
2. Overture 1928 (3:33)
3. Strange Deja Vu (5:13)
4. Through My Words (1:02)
5. Fatal Tragedy (6:49)
6. Beyond This Life (11:23)
7. Through Her Eyes (5:31)
8. Home (12:53)
9. The Dance Of Eternity (6:14)
10. One Last Time (3:47)
11. The Spirit Carries On (6:38)
12. Finally Free (12:02)
 歴史に残る名盤となることは確実な5thアルバム。
 2nd『Images And Words』収録の「Metropolis-Part I:The Miracle And The Sleeper」のストーリーを拡大し、アルバム1枚に丸々綴った、彼らとしては初のコンセプトアルバム。2nd収録時点でパート1と表記していたことから、このコンセプト自体はずっと暖めていたと思われる。
 本作品での彼らは、ストーリーを表現するための音楽作りに徹しており、テクニックを見せつけるような派手なパフォーマンスは少ない。だがそのおかげでプログレファン以外、またはドリームシアター初心者にも受け入れやすいわかりやすいサウンドに仕上がっており、最初の1枚としてお薦めしたい。
 聴きどころは、物語の幕開けに相応しい(実際は2曲目だが)明るく躍動感のあるインストゥルメンタル「Overture 1928」、ドリームシアターにしてはポップなサビのメロディがちょっと意外な「Strange Deja Vu」、本作では数少ないバカテク全開の「Fatal Tragedy」、シタールの音色が怪しげな「Home」、魂の不滅を高らかに歌い上げる感動的な「The Spirit Carries On」、そして終わったと思われた物語の先にある衝撃的な真のエンディング「Finally Free」など。
 ただこのようなコンセプトアルバムにおいて、曲単位での評価など意味のないことかもしれない。作品の本当の素晴らしさ、真の感動は1曲目から通しで聴かないかぎり味わえないからである。
 また、聴くだけでなく、歌詞も熟読することをお薦めする。音とストーリーの怖いほどのマッチングに2度驚かされることになるはずである。
★★★★★★★★★★!(10)
last update:2004/02/07
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Six Degrees Of Inner Turbulence 2002
Six Degrees Of Inner Turbulence
CoverArt:
Dung Hoang
[disk1]
1. The Glass Prison (13:53)
2. Blind Faith (10:21)
3. Misunderstood (9:33)
4. The Great Debate (13:46)
5. Disappear (6:45)
[disk2]
1. Overture (6:50)
2. About to Crash (5:51)
3. War Inside My Head (2:08)
4. The Test That Stumped Them All (5:03)
5. Goodnight Kiss (6:17)
6. Solitary Shell (5:48)
7. About to Crash - Reprise (4:05)
8. Losing Time - Grand Finale (6:01)
 6thアルバム。前作以前のような1曲完結の小曲(といっても最短6分台だが)から構成されるDiskOneと、前作同様のトータルコンセプトを持つDiskTwoから成る2枚組。
 前作ではコンセプトを重んじるあまりドリームシアターらしい壮絶なテクニックの応酬があまりみられなかったわけだが、本作のDiskOneでその鬱憤が一気に晴らされる。というか1曲目「The Glass Prison」は、ドリームシアター史上最もヘヴィかつ演奏難度の高い曲なのではないだろうか? 二転三転する複雑な曲展開で、全員がほとんど休むことなくウルトラC級テクニックを繰り出すさまは圧巻。ラスト近くのギター、ベース、ドラムが三位一体となって凄まじい音圧で迫ってくるパートなどはもはやヤケクソである。
 DiskTwoは前作の延長線上にあるような音で、攻撃的なDiskOneを演奏したのと同じグループとは思えない荘厳な幕開けをする。
 ただ、全体的な印象としては、成功したコンセプトアルバムの次回作ということで、前作を超えようとするあまりか若干難解になってしまっている。もう少し1曲1曲が独立した曲として自己主張していれば聴きやすかったかもしれないが、このあたりは好みの問題だろう。冒頭のテーマに回帰するラストの展開はドラマチックで感動的。
★★★★★★★(7)
last update:2004/06/28
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Train Of Thought 2003
Train Of Thought
CoverArt:
Jerry Uelsmann
1. As I Am (7:48)
2. This Dying Soul (11:27)
3. Endless Sacrifice (11:24)
4. Honor Thy Father (10:14)
5. Vacant (2:57)
6. Stream Of Consciousness (11:16)
7. In The Name Of God (14:14)
 ヒプノシスを思わせるアートワークが秀逸な7thアルバム。その暗示的なデザインから前2作同様のコンセプトアルバムのように見えるが、今回は独立した7曲から成る普通のアルバム。「普通の」とはいうもののそこはドリームシアター、7曲中5曲が10分超の大曲だが。
 とはいえ前作あたりと比べるとやはり聴きやすい。例えばオーソドックスなヘヴィメタルのリフでシンプルに組み立てられた1曲目「As I Am」などは、複雑化の進んだドリームシアターに必要だったタイプの曲で好感が持てる。
 一方、4曲目「Honor Thy Father」は様々な展開を見せるドリームシアターらしい曲。イントロの重厚なリフはヘヴィメタルのそれだが、中間のインストパートに入るとキングクリムゾンばりの変拍子+シーケンスフレーズに突入し、プログレッシヴロックであることをアピール。
 6曲目「Stream Of Consciousness」は、ドリームシアターにしては珍しいクラシカルな曲想のインストナンバー。クラシカルといっても、いわゆるクラシカル系メタルのそれとは一線を画するが、本作中にあってはやはり新鮮。
 アルバムは、神の名の下に繰り広げられる暴力=イラク戦争への憤りを痛切に描いた「In The Name Of God」で幕を下ろす。ヘヴィネスから叙情へ、というドリームシアターの得意とするドラマチックな展開の曲。そして世相を反映したこのような曲こそ、真のロックと呼べるものではないかと思う。

 派手なコンセプトがないため前2作からの流れで聴くと少々地味な印象がないではないが、先入観を捨てて聴くと非常にすっきりとまとまった完成度の高い好作品であることがわかるはず。個人的には『Scenes From A Memory』と同じぐらい好きで、かなりお薦め。
★★★★★★★★★(9)
last update:2004/07/21
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