HELDON
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エルドン France
 エルドンは“フランスのロバート・フリップ”と呼ばれるリシャール・ピナスのワンマン・バンドとして有名なグループ。超ロングトーンを生かした彼のギタープレイ/サウンドは、その異名どおりにロバート・フリップそっくりである。だがシンセサイザーによる執拗な反復フレーズの多用などキングクリムゾンにはない一面も併せ持っている。
 音楽的にはプログレというよりミニマル・ミュージックに近く、CD屋ではプログレとして扱われているものの少なくともイエスやジェネシスなどとは対極に位置する。例えばジェネシスの音楽は素晴らしいことに違いはないが、人に聴かれると少々恥ずかしいような部分もあって窓をあけた車などで流すのは勇気がいる。しかしエルドンの音楽は単純にクールでカッコいいのでドライブのBGMに最適である(・・・と私は思っている)。
 なお2000年に長い沈黙を破ってニューアルバムを発表。ユーロ・ロック・プレス9号掲載のインタビューで、ピナスは日本にも行きたいということを語っている。期待して待つ事にしよう。
Un Reve Sans Consequence Speciale 1976
Un Reve Sans Consequence Speciale
1. Marie Virginie C. (11:42)
2. Elephanta (8:30)
3. Perspective IV Ter Muco (5:26)
4. MVC II (6:14)
5. Toward the Red Line (15:17)
6. Marie et Virginie Comp (live) (9:32)
 5th。(3)と(6)はCDのボーナス・トラックなので、それを除くと全4曲という収録曲数の少ないアルバム。
 中近東っぽいパーカッション演奏を延々と聴かせる(2)や現代音楽風のシンセサイザー演奏が続く(4)(5)などあまり初心者向きではないが、心地よいリズムとシンセのシーケンス・フレーズに乗ってロバート・フリップそっくりのギターが炸裂する(1)は圧巻で、この曲だけでもアルバムを買う価値はある。ボーナス・トラックの(6)はこの曲のライヴ・ヴァージョン。ギター、ドラム共に攻撃性、過激さを増している。
 なお、(5)にはゲストでヤニック・トップが参加しているが、マグマのような演奏を期待してはいけない。
★★★★★★(6)
last update:2003/12/22
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Interface 1977
Interface
1. Les Soucoupes Volantes Vertes (2:28)
2. Jet Girl: I:In New York or Paris, equivalent; II:In South Bronx (9:51)
3. Le Retour des Soucoupes Volantes (2:23)
4. Bal-a-fou (7:24)
5. Le Fils des Soucoupes Volantes (Vertes) (1:49)
6. Interface-Live (part 1) (6:21)
7. Interface-Live (part 2) (2:06)
8. Interface (19:01)
 6th。次の『Stand By』に並んで人気の高い作品。
 前作から加入のフランソワ・オーガー(ds)の貢献度が上がり、前衛的なシンセサイザー演奏よりもロックらしいビートが前面に出ている。
 旧A面はフェード・イン、フェード・アウトの曲が多いためいまひとつ印象が薄いが、(1)(3)(5)と1曲おきに同リズム同フレーズの曲が配置されているあたりにコンセプトめいたものを感じる。
 旧B面にはタイトル・ナンバー「Interface」を収録。一定のリズムでズンドコいうパーカッシヴなシンセにオーガーのドラムが絡んでいき、それに呼応して様々なサウンド・エフェクトが沸き立つ。8:00過ぎにピナスのギターが登場。その後約10分間ギター、シンセ、ドラムが三位一体となって混沌とした音の空間を突き進んでいく。
 それにしても凄いのはフランソワ・オーガー。冷酷無比に進行するシーケンサーに足をすくわれることなく、自らのリズム感で曲を引っ張っている。“シーケンサーと共演できる唯一人のドラマー”などと呼ばれる彼だが、本当にその通りである。
 なおCDではボーナス・トラックとして同曲のライヴが収録されている(完録ではないのが残念)。日本では次作のタイトル曲「Stand By」の評価が高いが、エルドンらしさという点ではこの「Interface」が間違いなく代表曲である。
★★★★★★★★(8)
last update:2003/12/22
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Stand By 1979
Stand By
1. Stand By (14:05)
2. Une Drole De Journee (4:02)
3. Bolero (21:44)
 本作はなんといってもタイトルナンバー「Stand By」の凄さが際立っている。リシャール・ピナスはエルドンの音楽を“暴力的なもの”と言っているが、その言葉に最も近いのがこの曲。今までの曲と違ってシンセの比重が少なく、代わりに本物のベース(フレットレス)が大活躍。そのためにバンドらしいグルーヴ感のある演奏になっている。また、ひとつの曲でテンポや曲調などが二転三転するのも今までにあまりなかったパターンである。
 前半に約5分間に渡るピナスのギター・ソロ。手クセにまかせてチョーキングを連発するこのソロは、ロバート・フリップというよりジミ・ヘンドリックスに似ている(ギターの音もジミヘンぽい)。背後のフレットレス・ベースのラインがラリっていてカッコ良い。中盤はクリムゾン風16分反復フレーズによる緊張感溢れるアップテンポのパートや、シンセ+シーケンサーを生かした空飛ぶような空間的演奏を聴かせる。そして音の洪水のような終盤へ。
 終盤部分にメロディはない。歪みきったギターがコードをかき鳴らし、ベースが機械的にルートをたどり、ドラムが気だるくリズムを刻むだけである。だがこの曲のハイライトともいうべき箇所はまさにこの部分。大地は赤く焼け、海は湯だち、なにもかも滅び去った末期的世界を思わせる絶望感が強烈に胸を打つ。人間の脳になにかしらの精神作用を与えるのにメロディなどいらないのだ。この曲がそれを証明している。
 インスト派はもちろん、インストが苦手な歌モノ派の方にも是非聴いてもらいたい名曲である。
 他の2曲は、今までの延長線上にある作風。その内パトリック・ゴーティエ作の「Une Drole De Journee」は、後の彼のソロ・アルバム『Bebe Godzilla』に曲名を変えて再収録されている。
★★★★★★★★★(9)
last update:2003/12/22
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