PULSAR
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パルサー France
 フレンチ・シンフォニック・ロックの代表選手パルサー(ベル・アンティークから出ている国内盤CDでは“ピュルサー”になっている)。70年代に3枚、80年代に2枚のアルバムを残している(後者のうちの1枚は小曲集らしい。未聴)。
 原型となったグループは60年代末から活動していたらしいが、彼らの音楽に理解を示すレコード会社になかなか巡り会えず(特にフランス国内では)、アルバムデビューは75年と遅かった。
 歌より楽器演奏の比重が大きいが決してテクニックを見せつけるわけではなく、練りに練った物悲しいメロディーをゆったりと聴かせるタイプ。どの作品にも夢の中にいるような不思議な浮揚感がある。デビュー前のライヴではピンク・フロイドのカヴァーも演っていたというだけあって、SEの導入やリズムなどにフロイドからの影響が窺える。ただ彼らのルーツは古典音楽であり、ブルースに根ざしているフロイドとは根本的なところで異なる。したがって叙情的なメロディを好む日本人には、フロイドよりパルサーの方が向いているかもしれない。
Pollen 1975
Pollen
1. Pulsar (3:08)
2. Apraisement (7:25)
3. Puzzle/Omen (8:24)
4. Le Cheval De Syllogie (6:55)
5. Pollen (12:59)
 デビュー・アルバム。
 叙情的なメロディーと不安感を煽るメロディーが交錯し、耳をつんざくようなファズ・ギターと繊細なフルートがひっきりなしに入れ替わるため、後の作品と比べるとかなりカオティックな仕上がりとなっている。ピンク・フロイドの影響が一番強いのも本作。ラストの「Pollen(花粉)」はフロイドの「エコーズ」を思わせる大作。
 2曲目「Apaisement(鎮静)」のわざと音を外したようなヴォーカルがエグイ。幽霊の囁きのようだ。
★★★★★★(6)
last update:2003/12/22
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The Stands Of The Future 1976
The Stands Of The Future
1. The Strands of the Future (22:16)
2. Flight (2:41)
3. Windows (8:53)
4. Fool's Failure (10:20)
 1stから無駄な贅肉を削ぎ落としてよりタイトになった2ndアルバム。シンセを多用した夢幻的なサウンドは前作と同じ。ただ、洗練されて引っかかりのない無難な音になったせいか、若干面白味に欠けると言えなくもない。それでも音楽的クオリティは水準以上。
 1曲目から22分を越える大作。一部、モロに「原子心母」なところがあるがご愛嬌。哀愁漂うヴォーカル・メロディーが、我々日本人の琴線に強く訴えかけてくる。また、3曲目「Windows」のフルート・ソロも悲哀に満ちていて、“ロック”というカテゴリにあるのが信じられないぐらい美しい。
 アート・ワークも秀逸。吊るし上げられた一組の男女とその下で列を成す宇宙人みたいな人々が描かれた内ジャケが、何かSF的なストーリーを想像させる。音楽との関連性やこういうアート・ワークを採用した製作者側の意図などを考えるのも楽しい。
★★★★★★(6)
last update:2003/12/22
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Halloween 1977
Halloween
1. Halloween part I (a)Halloween Song (b)Tired Answers (c)Colours Of Childhood (d)Sorrow In My Dreams (20:00)
2. Halloween part II (e)Lone Fantasy (f)Dawn Over Darkness (g)Misty Garden Of Passion (h)Fear Of Frost (i)Time (19:10)
 フレンチ・シンフォの最高峰と言っても過言ではない3rd。
 内ジャケに綴られたバックグラウンド・ストーリーは非常に難解だが、ジャケット写真と合わせれば次第にその世界観が見えてくる。歪んだ愛情、絶望、死・・・。
 LP時代の名残で「ハロウィーン・パート1」「パート2」と分かれているが実質は全1曲。アイルランド民謡「ロンドンデリーの歌」のスキャットにはじまり、フルートとメロトロンによる悲しい悲しいアンサンブル、初期クリムゾンを思わせるハードなギターとメロトロンの絡み、祈りのようなヴォーカル・・・とめくるめく展開をみせるが、どの部分にも言い知れない悲壮感が漂っておりそれが作品全体に統一感を与えている。
 さらにバックグラウンド・ストーリーやジャケット・ワークが音楽と見事に一致し、加えて演奏・録音状態にも非のうちどころがないため、まったく恐ろしい完成度の作品に仕上がっている。これは単なるロックのアルバムではなく、一つのトータル的な芸術作品といって良いだろう。反感を恐れずに敢えて書くが、本作をしてパルサーは自らが目標としてきたピンクフロイドの最高傑作『狂気』を越えたのである。
 内容に関して細かなことを書くと、「パート2」の5:00過ぎ(サブタイトル「Dawn over darkness」の部分)のギターソロが特に絶品。プログレ名ギターソロ・ベスト5に入れたいぐらいドラマチックで感動的な名演だ。また「パート2」ラスト付近ではソフトマシーンばりの偏執狂的変拍子リフもあり、演奏技術も一級品であることが窺える。
★★★★★★★★★★(10)
last update:2003/12/22
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